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過去作品集

※ 作品に関するデータはすべて受賞当時のものです。

第22回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -2002- (平成14年)

総評

本賞の対象は、一般市民からの推薦によっており、広く一般に浸透し、馴染みのある人気の賞となっている。今回、審査対象となった建物・まちなみは117件であり、まず書類審査(写真を含む)によって24件を選考し、それらについて現地審査を行った。その立地は大阪市内12件、府下各地12件と広く分布し、住宅、医療施設、学校、ホテル、事務所、商業施設、駅舎など多岐に及んでいる。

大阪の新しい都市文化を発展させるもの、そういう作品に期待をよせながら審査が進められたと思う。審査の基準として、いうまでもなく建築物やまちなみを単なる物理的空間としてとらえるのでなく、人々と大阪の地域・歴史・自然環境との関係が重視され、受賞作品が選ばれたと考える。

地域への感心の高さ、確かな市民意識に裏打ちされた美意識は、地域の景観を変えていく源である。蔵に地域の記憶を継承し、地域環境の再生のきっかけとなりうるWILL帝塚山はその好例である。

大阪は夕陽の美しいまちである。とくに大阪市内は東西に通りが走り、川が流れていて、夕刻に西を望むと、通りや川の向こうに、大阪湾に広がる茜色に染まった空がぬけて見える。そして、東に生駒山から金剛山と連なる山並み、六甲・北摂、和泉の山並みと、美しい大阪の自然景観がある。この豊かな自然景観を都市景観形成に折り込むことは、個性的で、大阪らしい景観づくりに重要である。生駒の山並みをスカイラインに意識し、川を取り込んだ、大阪アメニティパークはその好例である。このような大阪固有の自然環境と融合した景観を大切にしたいものである。淀川に面した旧東海道沿いの市立枚方宿鍵屋資料館の町家再生には、新しい地域文化の再生が期待される。大阪の賑わい文化を表現したHoop、もと雑木林の丘陵地形を活かした中に郊外居住の新しい景観を創り出したローレルスクエア豊中緑丘・・・、というように大阪の市民文化醸成の可能性を秘めたもの、それが感じられるものが評価を受けたと考える。

美しい景観づくりは、市民1人1人の地域への関心から生まれる。一方、誇れる景観は市民意識を育てる。この関係が相乗し、大阪の魅力ある都市景観の形成に、本賞が貢献していくことを願っている。

審査委員長: 今井 範子

第22回大阪府知事賞

司馬遼太郎記念館
講評
司馬遼太郎記念館

高さ11mの吹き抜け空間をもつ建物の過半を地中に埋め込むことによって、低層住宅街とのスケール感が考慮され、周辺環境になじむ爽やかな雰囲気を創り出している。司馬邸の前庭から、当時のままの書斎をながめながら記念館にいざなわれ、その一体的な計画は作家の世界を表現する。作家が好んだ雑木の葉陰の中に静かで落ち着いた佇まいをみせ、白いステンドグラスとガラスの回廊は、周辺に明るく開放的な印象を与えている。建築家の力量が惜しみなく発揮された作品に、高い評価が集まった。

概要
建築位置東大阪市下小阪3‐11‐18
完成年月平成13年7月
主用途博物館
建築主財団法人司馬遼太郎記念財団
設計者安藤忠雄建築研究所
施工者株式会社銭高組

第22回大阪市長賞

大阪アメニティパーク
講評
大阪アメニティパーク

大川(旧淀川)に面する、製錬所跡地の複合再開発計画である。大川の流れや桜之宮公園の緑など豊かな自然環境を積極的に取り込み、さらに生駒山並みを背景とした、超高層、高層のなだらかなスカイラインを形成している。 用途の異なる建物群の外装の素材と色彩に、桜の名所を思わせる基準イメージを設定して、全体の統一感を図り、また、製錬所跡地であったことを思わせるレンガ造りのモチーフを、外装や水景施設の各所に用いて、個性豊かな景観を創出している。河川敷まで連続した広がりのある水辺空間を実現し、大阪の水都再生に相応しい作品として高い評価を得た。

概要
建築位置大阪市北区天満橋1‐8
完成年月平成12年11月
主用途事務所、ホテル、共同住宅
建築主三菱マテリアル株式会社
三菱地所株式会社
OAPレジデンスタワー管理組合法人
設計者株式会社三菱地所設計
施工者OAP計画建築共同企業体

第22回大阪府建築士会長賞

Hoop
講評
Hoop

低い容積率と敷地条件を逆手にとった豊かで都会的なオープンスペースと、昼と夜とで表情が変わる斬新な形状の建造物が都市商業施設の新しい形を提起している。オープンエアプラザの不揃いの枕木、レールを使ったオブジェが不思議な和み感を醸しだし、土地の記憶を呼び覚ます。ここでは、建物の内と外の境界線は存在せず、行き交う人々は何かに束縛されるということなく自由に空間を楽しむことができる。ガラス面から見える内部は単なるディスプレイではなく、人がまちなみの重要な要素であることを感じさせてくれる。

概要
建築位置大阪市阿倍野区阿倍野筋1‐2‐30
完成年月平成12年8月
主用途店舗
建築主近畿日本鉄道株式会社
株式会社近鉄百貨店
設計者株式会社竹中工務店
施工者竹中工務店・大林組・大日本土木・奥村組建設共同企業体

第22回特別賞

市立枚方宿鍵屋資料館
講評
市立枚方宿鍵屋資料館

江戸時代、淀川三十石船の船宿として栄えた鍵屋は、主屋を解体・修復し、平成13年7月に資料館に生まれ変わった。主屋は通り庭や摺り揚戸など、当時の町屋の構造を残している。また、昭和初期の建築とされる別棟は、1階は枚方宿や淀川水運の展示に、2階大広間は各種の文化イベントに活用されている。市民ベースでの文化の継承、観光PRの活動拠点となっている。今後さらに町並の保全修景が進むことを願って、今回の受賞となった。

概要
建築位置枚方市堤町10‐27
完成年月平成13年1月
主用途歴史資料館
建築主枚方市
設計者財団法人文化財建造物保存技術協会
施工者池田建設株式会社

第22回奨励賞

大阪明治生命館 ランドアクシスタワー
講評
大阪明治生命館 ランドアクシスタワー

軽快なデザインのオフィスビルである。透明感のある外装、明快な構造体、表通りから裏通りまで見通せる開放的な一階などが魅力である。正面広場は、御堂筋の銀杏並木と一体となった快適空間をつくっており、ビジネス街のオアシスとなっている。重厚なまちなみに新風を吹き込んだ優秀な作品である。

概要
建築位置大阪市中央区伏見町4‐1‐1
完成年月平成13年7月
主用途事務所
建築主明治生命保険相互会社
設計者株式会社竹中工務店
施工者竹中・不動・奥村・錢高・大末・大鉄建設共同企業体

第22回奨励賞

WILL帝塚山
講評
WILL帝塚山

小さい限られた敷地の中で、外には近隣に開かれたギャラリーを角地に持ち、住人には中庭の古い立木を囲んだ共有空間を提供している。先代からの既存の土蔵や庭石を生かした試みは、ともすれば崩れゆく風致地区周辺の住宅地の中で、美しく心地良い凛とした存在になっている。

概要
建築位置大阪市住吉区帝塚山中4‐10‐13
完成年月平成13年1月
主用途共同住宅
建築主巽留宏
設計者株式会社スタジオ宙
施工者株式会社ナカノコーポレーション

第22回奨励賞

国際障害者交流センター ビッグ・アイ
講評
国際障害者交流センター ビッグ・アイ

未来都市のような泉ヶ丘駅前の一角に建つ端正な佇まいのビッグ・アイは、それを目にする者や施設の利用者に安らぎと安心感を与えてくれる。バリアフリーをテーマにしながら徹底的に作り込まれたデザインは、純粋な建築としての美しさにまで昇華されており、そこに注ぎ込まれた莫大なエネルギーとデザイン力の高さにはただ感服するのみである。

概要
建築位置堺市茶山台1‐8‐1
完成年月平成13年3月
主用途多目的ホール、宿泊施設、研修室 等
建築主厚生労働省
設計者国土交通省近畿地方整備局営繕部(設計監修)
摂南大学工学部建築学科教授 田中直人
株式会社日建設計
施工者三菱・森本特定建設工事共同企業体

第22回奨励賞

ローレルスクエア豊中緑丘
講評
ローレルスクエア豊中緑丘

ローコストや管理のしやすさが最優先され画一的で、魅力に欠ける集合住宅が多い中、この住居群は多様な住戸プランニングと木目細かいデザインが展開され、住環境への設計者の配慮が行き届いたものである。ランドスケープも緩い傾斜と直線を基調にパースペクティブを生かしたもので魅力的である。植栽の手入れも良好で住民の住環境への愛情も感じられる佳作である。

概要
建築位置豊中市緑丘3‐11‐20
完成年月平成12年8月
主用途共同住宅
建築主近鉄不動産株式会社
設計者株式会社遠藤剛生建築設計事務所
施工者清水建設株式会社

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