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過去作品集

※ 作品に関するデータはすべて受賞当時のものです。

第26回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -2006- (平成18年)

総評

本年は125件(建物112件、まちなみ13件)が審査対象となり、写真を含む書類審査によって22件(建物19件、まちなみ3件)を現地審査の対象物件として選考した。地域的には大阪市内の物件が12件と約半数を占めた他、北大阪地域が8件と多く、南大阪地域が2件と続いた。

本年の特徴を見ると、長年地域の中で息づいてきたものの機能面での不都合や老朽化等によって変化を余儀なくされた既存の建物がリノベーションされた物件が多かったことが特筆される。大阪府知事賞の熊取交流センター「煉瓦館」もその1つであり、泉州に多く見られた昭和初期の綿布工場の煉瓦の構造体と鋸屋根を活用しながら地域景観の継承と発展を誘導している。大阪市長賞の寺西家阿倍野長屋も戦前の長屋の景観を今にとどめた物件である。特別賞の法善寺横丁も多大な努力によって大阪「みなみのらしさ」を復興した貴重な物件である。また、奨励賞の大阪証券取引所ビルもその一つに含まれるであろう。一方、近年増加しつつあった敷地緑化や屋上緑化の充実した物件が少なかったことも気がかりであるが、その中にあって緑化賞の茨木市立生涯学習センター きらめきは立体駐車場や駐輪場といったややもすると見苦しくなる部分に緑化を導入することによって細やかな配慮がなされた物件である。奨励賞の戸建の木の集合住宅(カテナ)も中庭といった小スペースに効果的な緑化を導入し、心地よさを生み出している。また、新しい都市景観を創出した物件としては、大阪の玄関口に位置する第二吉本ビルディングが大阪府建築士会長賞を受賞した。この物件は奨励賞のハービスENT(梅田阪神第2ビルディング)と一体的な公開空地を生み出し、地下空間への自然光の取り入れや緑の導入を図っており、緑化といった視点でも評価できる物件である。一方、建物用途では大規模な共同住宅(大規模マンション)が1物件も現地審査の対象ともならなかったが、需要対応価格の中で一定の限界があるものの都市景観に大きなインパクトを発生させることから賞に値する物件が待たれる。

審査委員長: 増田 昇

第26回大阪府知事賞

熊取交流センター「煉瓦館」
講評
熊取交流センター「煉瓦館」

昭和初期の綿布工場の組積造の煉瓦壁と鋸屋根の形態を残し、地域の交流センターとして復元しながら、良い形で伝え使われている。指定文化財の柔らかいアーチ型の窓の木造平屋や、当時のままの電気室跡、鮮やかな補強の構造を見せた何もない中庭に置かれた当時のボイラーや、建物の天井に吊られた機械の一部が、彫刻以上の存在感で興味をかき立て、かつてこの町で人も工場も働き続けていた姿を想像させる。隣家の重要文化財の「中家」の保存と共に、この復元プロジェクトに拍手を惜しまない。数年後には前の公園の大きくなった木陰で憩う住民の姿が見られるのを願っている。

概要
建築位置泉南郡熊取町五門西1‐10‐1
完成年月平成16年12月
主用途交流施設
建築主熊取町
設計者株式会社東畑建築事務所
施工者株式会社奥村組

第26回大阪市長賞

寺西家阿倍野長屋
講評
寺西家阿倍野長屋

昭和8年に建てられた典型的な郊外型の長屋建築である。所有者の理解と、建築家をはじめとする周囲の熱意によって、使い続ける道が模索され、平成16年3 月に改修工事を終え飲食店へとコンバージョンされた。建設当初の外観が復元されたこと、質の高い改修工事が行われたことなど、建物の価値を理解し尊重した改修内容と完成度の高さが評価された。単なる長屋の転用事例にとどまらず、大阪の建築文化を再構築する試みとして意欲的である。

概要
建築位置大阪市阿倍野区阪南町1‐50‐25
完成年月平成16年3月(改修工事完成)
主用途飲食店舗
建築主寺西興一
設計者すがアトリエ
施工者川人工ム店

第26回大阪府建築士会長賞

第二吉本ビルディング
講評
第二吉本ビルディング

大阪駅前に位置する商業・オフィスからなる複合ビルです。この建物の特色は近景として足元のさわやかさと、遠景として都市に人の表情がにじみ出るような外壁デザインにあります。高層建築は、都市への着地の仕方が大切なテーマです。つまり、1階部分がいかに開放的で美しくデザインされているかが最も大切だと言えます。大阪駅に向かって開いたエントランスプラザは、開放感あふれるアトリウムになっています。駅前の混雑した地下空間の中に光と外気が流れ込み、さわやかな心地よさが感じられる場です。

概要
建築位置大阪市北区梅田2‐2‐2
完成年月平成16年9月
主用途店舗
建築主吉本第二ビルディング株式会社
設計者株式会社竹中工務店
施工者株式会社竹中工務店

第26回緑化賞

茨木市立生涯学習センター きらめき
講評
茨木市立生涯学習センター きらめき

準工業地域に立地するといった負の要因を逆に活かし、建物の南側を中心に敷地3面に豊かな緑化空間を配置している。建物では4階までの各階と屋上部分での庭園設置や駐車場棟壁面を利用した垂直緑化、外構では正面玄関に相応しい落ち着き感と緑量感を創出する株立ちのケヤキ植栽や駐輪場のコーナースペースでの低木植栽等々きめ細やかな緑化への気配りが評価できる。開花時期や紅葉に配慮した樹木や草本の導入は四季の彩りの変化を感じさせ、多様な高木植栽が将来の小さな森の形成を予感させている。

概要
建築位置茨木市畑田町1‐43
完成年月平成16年9月
主用途生涯学習施設
建築主茨木市
設計者株式会社佐藤総合計画
施工者淺沼・南共同企業体
植政造園土木株式会社

第26回特別賞

法善寺横丁
講評
法善寺横丁

小説の舞台となり、歌謡曲でも親しまれた大阪を代表する繁華街の路地が焼失した。その再生には、多くの権利者の合意形成だけではなく、袖が触れ合うほどの狭い石畳の路地が現行の建築基準法に合わないこと、更に防火地区規定により既存の木造建物は建てられないという法的な障害も立ちはだかった。法善寺横丁復興委員会を中心にし、大阪市を含めた関係者の多大な努力により建築基準法の特例である「連担建築物設計制度」が適用されるなどにより、路地幅2.7mという昔のままの風情ある横丁が再建された。

概要
建築位置大阪市中央区道頓堀1‐1・難波1‐1
完成年月平成16年3月
主用途飲食店舗
まちづくり主体等法善寺会
法善寺横丁復興委員会
法善寺横丁まちづくり委員会
宗教法人法善寺

第26回奨励賞

戸建の木の集合住宅(カテナ)
講評
戸建の木の集合住宅(カテナ)

郊外にありながら下町の路地を思わせる空間構成が好印象な作品である。戸建風に設計された6戸の住宅を繋ぐ路地状の共用通路を入ると中庭が広がり、そこにコミュニティのシンボルとしてやまぼうしが植えられている。

概要
建築位置豊中市東寺内町2‐3‐7
完成年月平成16年9月
主用途共同住宅
建築主岩田一良
設計者大西憲司設計工房
施工者株式会社梶亀工務店

第26回奨励賞

大阪証券取引所ビル
講評
大阪証券取引所ビル

景観資源の保存と都市の高度利用の狭間でその保全形態には賛否両論があろうが、土佐堀通と堺筋との街角に位置する特徴的なドームの外観は「北浜」の顔として継承されている。また、開放された1階の大空間(旧・玄関ホール)も貴重な都市空間となっている。

概要
建築位置大阪市中央区北浜1‐8‐16
完成年月平成16年11月
主用途事務所、店舗
建築主平和不動産株式会社
設計者大証ビル 三菱地所設計・日建設計 設計監理共同体
施工者大林・竹中・大成・錢高共同企業体

第26回奨励賞

ハービスENT(梅田阪神第2ビルディング)
講評
ハービスENT(梅田阪神第2ビルディング)

隣接するハービスOSAKAとあわせて、2棟ながら450mの言うところの「まちなみ」を形成しているが、その連続空間は色彩を押さえながらも躯体の形態およびファサードデザインの活用により、歩を進め視点が異なるたびに新しい表情を創り出す“ピクチャレスクなまちなみ”を創出し、散策の楽しさと同時に西梅田のアイデンティティをうまく表現した作品と言えるだろう。

概要
建築位置大阪市北区梅田2‐2‐22
完成年月平成16年10月
主用途事務所、店舗、劇場
建築主阪神電気鉄道株式会社
望月建設株式会社
設計者株式会社竹中工務店
施工者竹中・大林・鹿島・望月・五洋・ハンシン建設共同企業体

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