ホーム>過去作品集>第27回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -2007-

過去作品集

※ 作品に関するデータはすべて受賞当時のものです。

第27回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -2007- (平成19年)

総評

本年は109件(建物99件、まちなみ10件)が審査対象となり、写真を含む書類審査によって20件(建物16件、まちなみ4件)を現地審査の対象物件として選考した。選考した物件の主用途は、戸建や共同住宅から商業施設や事務所、図書館や学校等まで多様性に富んでいた。

大阪府知事賞のそごう心斎橋本店は、歴史文化を継承しながら風格ある御堂筋との調和と存在感を示し、大阪市長賞のアーバンテラス茶屋町は、新旧が共存する不思議な地域にあって路地やプロムナードを持つ街並みが新旧街並みの緩衝的空間の役割を発揮している。大阪府建築士会長賞の中之島セントラルタワーは、超高層建築では技術力のいる巨大なピロティを設け水と緑の視覚的連続性を創出し、大阪女学院は、50余年に渡る保育管理によって緑溢れる校庭を実現するとともにヴォーリズ設計のチャペルや校舎を耐震補強し長い時間経過を大切にしていることから特別賞とした。奨励賞の大阪法務局北分庁舎は、平滑なファサードが主流となる現代建築の流れの中で金属ルーバーによる重層的な表情を生み出している点、個人住宅のCo(シーオー)は、大地の中に住まい裏山の緑との連続性を生み出している点、堺・自然ふれあいの森 森の館は、里山との新たな関わり方を具現化するランドスケープと融合した建築物である点がそれぞれ評価された。

本年は建築物の主用途や地域に係わらず景観を意識したデザインレベルが高い物件が現地審査対象物件の大部分を占めていたものの、一方で独創性や固有性が若干弱いといった特徴があった。全般的な水準が高まってきている傾向は喜ばしいことではあるが、これからの大阪の景観を先導する意欲的な物件も待たれるところである。

審査委員長: 増田 昇

第27回大阪府知事賞

そごう心斎橋本店
講評
そごう心斎橋本店

歴史文化を継承しながら創業の地に新しく生まれ変わったものである。村野藤吾の造詣作法を倣った上層壁面は優雅な曲線のモチーフを持つバルコニーで重層性と陰影を与え、低層部は優美なガラスの表現を主題とし、遠景、近景それぞれで風格ある御堂筋との調和と存在感を示している。御堂筋から心斎橋筋に繋がる2 層吹き抜けのパサージュとともに自然光、緑、水を介してギャラリーや屋上庭園へ繋がる12階上部のアトリウムの回遊性も楽しめる。

概要
建築位置大阪市中央区心斎橋筋1‐8‐3
完成年月平成17年9月
主用途百貨店
建築主株式会社そごう
設計者株式会社竹中工務店
施工者竹中工務店・大成建設共同企業体

第27回大阪市長賞

アーバンテラス茶屋町
講評
アーバンテラス茶屋町

上品でさりげなくたたずむ建物であるが、路地やプロムナードの光や風を感じ、ホッと一息心地良さを覚える空間である。茶屋町一帯は新しく開発された地域と古くからの地域が入り交じる場所である。かつての茶屋町が持っていた路地と人間的なスケールの町屋の良さは、大型の商業施設を中心とした開発が進むと共に消失している。その中心にあってこの建築は茶屋町の人間を中心とした街の雰囲気を残して計画されており、都心における街づくりの先駆となる秀作だと言えるだろう。

概要
建築位置大阪市北区茶屋町15‐22
完成年月平成18年3月
主用途物販店舗、飲食店舗
建築主株式会社アーバンコーポレイション
設計者株式会社K計画事務所
施工者株式会社竹中工務店

第27回大阪府建築士会長賞

中之島セントラルタワー
講評
中之島セントラルタワー

この超高層ビルの評価の最大のポイントは、その足元を可能な限り開放し、土佐堀川と堂島川を視覚的につなぐ工夫がされていることである。隣接する阪神高速道路の高架によりオフィス部分が影響を受けないようにすることを逆手に取った計画であるが、ピロティ空間の高さは13mにも達し、開放感は高い。また水盤や通り抜けできる歩行空間、そして何より外部からも利用できるカフェの賑わいがややもすると人影もなく淋しい空間になりがちな同種の公開空地とは違う良さを作り出している。

概要
建築位置大阪市北区中之島2‐2‐7
完成年月平成17年7月
主用途事務所
建築主住友生命保険相互会社
設計者株式会社日建設計
施工者株式会社竹中工務店
株式会社銭高組

第27回特別賞

大阪女学院
講評
大阪女学院

昭和20年3月、大阪は激しい空襲を受けて焦土となり、当学院も大半の校舎が焼け落ち、焼け焦げたタイサンボクが当時の写真に写っている。戦後の混乱の中、わずかな資材と浄財をもとに再建が始まり、学院当局と設計者および工事関係者の高い理想と永年の努力によってキャンパスの整備が継続され、半世紀を越えやっと現在の姿になった。古い校舎は周到な意匠計画に基づく耐震補強で甦り、美しい樹木と呼応して周辺の街並みと一体となって豊かな教育環境を形成している。焼けたタイサンボクは目を吹きかえし、今も健在で学院の歴史を静かに眺めているのが印象に残った。

概要
建築位置大阪市中央区玉造2‐26‐54
完成年月平成13年8月
主用途学校、チャペル(講堂)
建築主学校法人大阪女学院
設計者株式会社一粒社ヴォーリズ建築事務所
施工者株式会社竹中工務店

第27回奨励賞

Co(シーオー)
講評
Co(シーオー)

住宅地開発の一画に建つ戸建て住宅。雛壇造成の形状と、周囲の環境を生かした優れた計画である。街路に開いた前庭を持ち、緑化をして街に有機的な潤いを与えるとともに建物高さを抑え裏山の大きな緑とつなげている。住宅地によくある道路側に対して無機質な塀等で閉鎖する手法でないことが、周辺のまち環境に新鮮なインパクトを与えている。建物内中央に円形のボイドを持ち光と風を取り入れるなど、開くと閉じるを考慮した完成度の高い住宅作品である。

概要
建築位置堺市
完成年月平成17年12月
主用途戸建住宅
建築主K氏
設計者すがアトリエ
施工者ハンドハウス建築工房

第27回奨励賞

堺・自然ふれあいの森 森の館
講評
堺・自然ふれあいの森 森の館

豊かな森に浮かぶ木の箱。里山保全活動の拠点施設としてのシンボル性とデザイン性を備えた外観に対し、内部には木の温もりにあふれた開放的な空間が広がる。建物とそこで繰り広げられる活動との幸福な関係が印象的であった。

概要
建築位置堺市南区畑1740
完成年月平成16年2月
主用途展示室、事務所
建築主堺市
設計者株式会社緑景
施工者株式会社大井工務店

第27回奨励賞

大阪法務局北分庁舎
講評
大阪法務局北分庁舎

白く透明なマントを纏ったこのビル。巧みに光と影をとりこみ、刻々周辺の緑を映してまちにゆとりと明るさを生み出している。地区の個性の上に新しい魅力を付け加え、また法曹界の新風をも感じさせる佳作である。

概要
建築位置大阪市北区西天満1‐11‐4
完成年月平成18年2月
主用途事務所
建築主大阪法務局
設計者株式会社東畑建築事務所
施工者株式会社熊谷組関西支店

ローカルナビゲーション

Adobe_Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧頂くには“Adobe_Reader”が必須です。
Adobe_Readerは、Adobeのホームページから無料でダウンロードできます。
(新規ウィンドウで開きます。)

本文内容はここまでです。これより下は、大阪都市景観建築賞運営委員会の案内情報(主催、住所、Copyright)です。また、本文にジャンプします。