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過去作品集

※ 作品に関するデータはすべて受賞当時のものです。

第28回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -2008- (平成20年)

総評

本年は募集時期が例年からずれ込んだこともあり、審査対象が89件(建物86件、まちなみ3件)と若干少なかったものの例年通り水準は劣るものではなく、書類審査によって22件を現地審査の対象とした。例年になく大阪市内の物件が22件中15件と多くを占め、やや地域的偏りがみられた。本年の特徴としては全般的な水準は高まってきているものの、大阪の景観を先導していくような独創性や固有性を発揮している物件が限定されていたこともあり、知事賞、市長賞、会長賞の三賞と他の賞とに若干の隔たりがあったものと思われる。

このような状況の中で大阪府知事賞のなんばパークスは緑の少ない大阪の都心にあって地上部から9階レベルに続く段丘状の圧倒的な緑と広場を提供する魅力的な都市景観を大阪のミナミに創造している。一方、大阪市長賞の天満天神繁昌亭は規模は小さいものの市民の力によって支えられる上方文化の象徴ともなるもので大阪天満宮をはじめとする伝統的な屋根の建築群にうまくとけ込んでいる。大阪府建築士会長賞の大阪弁護士会館は東洋陶磁美術館や中央公会堂といった水都大阪を象徴する中之島公園に繋がる位置にあって濃い緑を伴った格式と深みを持った建築景観を生み出している。緑化賞のプール学院中学校・高等学校は敷地の周囲に緑地を配しシースルーのフェンスとすることで緑の乏しい市街地に貴重な緑を提供していることやビオトープを生きた教材としていることが評価されたが未だ熟成段階にあり今後の成熟が期待される。史跡旧堺燈台は一定水準以上の復原整備、かね善本社ビルは小規模ながら今里という地域の景観を先導するもの、公益社千里会館は周辺の閑静な住宅街とのマッチング、追手門学院大学中央棟・6号館は周辺の既存施設を大切にした景観づくりが、桃坂コンフォガーデンは4街区一体となったまちなみの形成がそれぞれ評価され奨励賞としたがいずれも若干力強さに欠けた点が惜しまれる。

審査委員長: 増田 昇

第28回大阪府知事賞

なんばパークス
講評
なんばパークス

大阪ミナミの新都心として相応しい大阪球場の跡地を中心に開発された魅力的な複合都市である。2003年10月には地上部から9階レベルに続く段丘状に広場と緑を配した1期エリアが完成し、圧倒的な緑とオープンスペースをもって、煩雑な大阪のミナミに大きなインパクトを持って登場し、2期エリアの完成が待たれていたがこの程完成した。段丘状に広がる屋上公園は緑と水と光が溢れ、身近に自然が享受できるまさに都心のオアシスである。

概要
建築位置大阪市浪速区難波中2‐10‐70
完成年月平成19年4月
主用途店舗、事務所
建築主南海都市創造株式会社
株式会社高島屋
設計者株式会社大林組本店一級建築士事務所
株式会社日建設計
ジャーディパートナーシップ
施工者株式会社大林組
株式会社竹中工務店

第28回大阪市長賞

天満天神繁昌亭
講評
天満天神繁昌亭

赤い鳥居と石の鳥居を左右に見る角に立つと寄棟の美しい瓦屋根の下に連なる提灯と幟り旗が賑わいを醸している。繁昌亭の工事費は一般市民の寄附によると聞く。その名は小屋内外の提灯に記され歴史と記憶に残る。大阪天満宮周辺の伝統的な建築や楠の大木も借景として取り込んで調和している。この劇場が復活したことで天神橋商店街やその周辺の街までが活気に満ちている。大阪の市民文化と支え合う拠り所として益々の繁盛を願う。

概要
建築位置大阪市北区天神橋2‐1‐34
完成年月平成18年8月
主用途劇場
建築主社団法人上方落語協会
設計者株式会社狩野忠正建築研究所
施工者株式会社錢高組

第28回大阪府建築士会長賞

大阪弁護士会館
講評
大阪弁護士会館

大阪弁護士会館の試みとは、時代とともに展開する活動をプログラムしつつ、建築空間に知的で節度ある表情を付与することである。時勢におもねるべきでない弁護士という職能は、建築という形式によって過不足なく定義されたと言えるだろう。また、質量感と陰影のある材料選択と、重量の存在を忘れさせる清澄さが生み出す景観は、都市大阪が継承するべき確かな価値を提示している。その視点は、潤いのある外構の緑、丹念にしつらえられた屋上の緑からも感じとることができる。

概要
建築位置大阪市北区西天満1‐12‐5
完成年月平成18年7月
主用途事務所
建築主大阪弁護士会
設計者株式会社日建設計
施工者株式会社大林組

第28回緑化賞

プール学院中学校・高等学校
講評
プール学院中学校・高等学校

建替えを契機として、敷地境界にあった目隠し塀をシースルーフェンスに換えたことで、敷地内緑化が道路から眺められるようになった。周辺は密集市街地であり緑も少なめだが、本敷地の緑が地域環境の向上に貢献している。ビオトープには鳥や昆虫も飛来してきており、まちなかの自然のオアシスとなっている。樹木は植えられて間もないため、十分な緑量にはなっていないが、今後生育していくことで地域環境へのさらなる貢献を期待したい。

概要
建築位置大阪市生野区勝山北1‐19‐31
完成年月平成19年8月
主用途学校
建築主学校法人プール学院
設計者株式会社竹中工務店
施工者株式会社竹中工務店

第28回奨励賞

史跡 旧堺燈台
講評
史跡 旧堺燈台

明治10年建築のわが国最古の木造洋式燈台が、市民に最も親しまれた戦前期の姿へと復元整備された。緻密な調査研究に基づく修理工事は、燈台と地域の歴史を活き活きと蘇らせることに成功している。凛としたその姿は、人々の記憶を喚起する装置として、この先も永く愛されるであろう。

概要
建築位置堺市堺区大浜北町5‐7‐49
完成年月平成19年4月
主用途文化財
建築主堺市
設計者財団法人文化財建造物保存技術協会
施工者松井建設株式会社
池田建設株式会社

第28回奨励賞

かね善本社ビル
講評
かね善本社ビル

今里ロータリー近くの、白い曲面と竪ルーバーによる半透過の表情を持つ小さな本社ビルである。緑化やエントランス廻り外構やギャラリーなどを周辺環境に開き、街との関係を大切にしていると感じさせるさわやかな作品である。

概要
建築位置大阪市東成区大今里南1‐1‐26
完成年月平成18年10月
主用途事務所
建築主株式会社かね善
設計者株式会社安井建築設計事務所
施工者株式会社竹中工務店

第28回奨励賞

公益社千里会館
講評
公益社千里会館

敷地の高低差、周辺の住宅地街、隣接する公園の緑、桃山台駅前から続く道路など総てを意識し、グレートーンでまとめられた建物は、静かに周りと馴染み、落ち着いた雰囲気を醸し出している。工夫を凝らした建物全体の表面仕上げ、特に低層部の自然な風合いのコンクリート打放しとガラス越しの暖かな電球の灯りが優しく、心の安らぎを覚える。

概要
建築位置吹田市桃山台5‐3‐10
完成年月平成19年4月
主用途集会場(葬儀場)
建築主燦ホールディングス株式会社
設計者株式会社遠藤剛生建築設計事務所
施工者清水建設株式会社

第28回奨励賞

追手門学院大学中央棟・6号館
講評
追手門学院大学中央棟・6号館

低層の大教室棟と高層の研究室棟の2棟で構成。高層棟のシンプルで緊張感のある外壁は、学園のシンボル性を力強く創出。既存校舎と調和し巧みに計画されている。両棟の間の大階段が学生を迎え入れ、最上階で低層棟の屋上につながる。低層棟の屋上は全面緑化され学生の目に優しく映る。高層棟の東西面の外壁は、ダブルスキンを採用、環境にも配慮された完成度の高い作品である。

概要
建築位置茨木市西安威2‐1‐15
完成年月平成18年12月
主用途学校
建築主学校法人追手門学院 追手門学院大学
設計者株式会社三菱地所設計
施工者株式会社大林組

第28回奨励賞

桃坂コンフォガーデン(Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ街区)
講評
桃坂コンフォガーデン(Ⅰ・Ⅱ・Ⅳ街区)

ランドマークとなる超高層を軸に、高層、低層の建物がバランスよく4街区一体となった快適な住環境が形成されている。交差する2本の軸を中心に広場やファニチャーが配置され、住人同士、また病院への来院者などとの交流が生み出されている。

概要
建築位置大阪市天王寺区筆ヶ崎町5‐52
完成年月平成19年6月
主用途高齢者支援施設、共同住宅
建築主関電不動産株式会社
野村不動産株式会社
設計者社株式会社大林組本店一級建築士事務所
設計組織PLACEMEDIA
施工者株式会社大林組

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