第13回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -1993- (平成5年)
天美我堂の家/第13回奨励賞
講評
都市が郊外に向けて大きく広がって行く過程で、もともとは農村的風景の中の在所として、昔からの瓦屋根民家が軒をつらねる集落の数々が、ごく一般的な市街地に飲みこまれて行く姿は、大阪府下のいたる所でみられる。そのような現実の中で、残された瓦屋根民家のまちなみの一隅に、一軒の家を新しくする仕事は、建築デザインとしていかにあるべきか。それはごく小さい事のようで実は、大きい意味を持っている。この家をデザインした建築家は、この問いを積極的に意識しつつ、個性的なひとつの答えを出している。ごく平凡な板張外壁と小さな窓、しっくい塗りまわしの壁面意匠、そして所々に意外に新しい感じの要素を使いこなすなど、過去と現在をつなぐ等身大の解答がそこに見られる。
講評者 審査委員長 紙野桂人
概要
建築位置
松原市天美我堂7
完成年月
平成元年12月
主用途
戸建住宅
建築主
川中隆之
設計者
有限会社Ms建築設計事務所
施工者
合資会社中野工務店