第14回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -1994- (平成6年)
阪急電鉄本社ビル ~ アプローズタワーのまちなみ/第14回大阪市長賞
講評
戦後、梅田界隈の賑いに取り残されたままに、老朽化した下町として続いてきた茶屋町は、近年次々に新しい都市機能を誕生させ、若者が関心を持って行き交ういわゆるナウいまちへと変貌した。その街区の北部、都市計画道路に面する区画一体にオフィス・劇場・ホテル・ショッピングを合わせた複合開発が実現し、街路に囲まれた公開空地・ガレリアを環境装置として、2つの高層ビルが姿を現した。その中の2つの劇場機能のうちのひとつ、シアター・ドラマシティを大阪市の「文化施設容積ボーナス制度」に適合させ、市の都市計画方針を受けとめた開発事業となっている。
それは複合的な機能を生み出す都市開発の新しいモデルとも言える先進性と社会性を兼ね備え、優雅で風格の高いアプローズタワーのデザイン効果をもって、超高層建築に新たな魅力を付け加え、梅田界隈の文化性を主張する視覚的シンボルとなっている。
講評者 審査委員長 紙野桂人
概要
建築位置
大阪市北区芝田1‐16‐1・茶屋町19‐19
完成年月
平成4年10月
主用途
事務所、ホテル、劇場、店舗
建築主
阪急電鉄株式会社
阪急不動産株式会社
株式会社コマ・スタジアム
設計者
株式会社竹中工務店
施工者
株式会社竹中工務店