第6回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -1986- (昭和61年)
富田林寺内町城之門筋周辺/第6回特別賞
講評
社会経済の急激な変化の下で、古い家並みの保全は難問題の1つである。
従来の家並みが残っているというだけでは賞に該当するとは考えにくい。観光産業として昔の家並みを残したり、再現したりすることは、生活の資になるということで住民の合意は得やすいが、そこで生活しながら純粋に町の誇りとしての自覚の下に維持保全してゆこうとする例は少ない。
富田林寺内町の場合は現在、国の補助で復元工事が進捗しつつある家があるからではなく、一部の人々が補助金なしで自発的に補修し、町並みの旧態を維持しておられる実績を評価する。
昔ながらの町割、ごみのない道の中央に、排水溝に設けられた低く小さい石橋が残されており、町家正面の庇下は立格子が基調となり、庇から上は漆喰の白壁、本瓦葺、落棟や煙出しの変化など、江戸時代の町並みの景観が維持されている。今後とも行政の後援が一段と進み、お互いにその価値を認識することによって、無理なく保全が続けられることを期待する。
概要
建築位置
富田林市富田林町
完成年月
主用途
建築主
富田林寺内町をまもる会