第15回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -1995- (平成7年)
大阪ガス実験集合住宅NEXT21/第15回特別賞
講評
天王寺区清水谷。上町筋・長堀通から1街区奥に入ったところに、この実験住宅は姿を現す。6階建ての屋上やスケルトン(構造体)の随所に自然形の植栽があった。大きな開口部や小さな窓、新しい親しみのもてる外壁材などが目に飛び込んでくる。これまでの集合住宅、所詮マンションとは根本的に異なる新たな「集合体」の形式が出現している。この清水谷付近は、古くは明治中期の裏長屋が建ち並ぶところだったようだが、今なお生活感がただようこの土地の環境に対比的な姿だが程よいスケール感をもって不思議に調和している。
「都市に居住すること」の基本的な方向性と可能性を指し示す近未来像が、実験住宅として問題を提起しながらも魅力をたたえて実現されている。この先5年間は、建築主の18の社員家族が実際に体験入居してデータを集め、更に検討が続けられるようである。この計画の過程で参画した多くの関係者には大変な熱意と苦心があったことは想像にかたくないが、得難い経験ともなり得たに違いない。熱く敬意をもって賞したい。
講評者 審査委員 寺本敏則
概要
建築位置
大阪市天王寺区清水谷町6‐16
完成年月
平成5年9月
主用途
共同住宅
建築主
大阪ガス株式会社
設計者
大阪ガスNEXT21建設委員会([総括] 内田祥哉+集工舎建築都市デザイン研究所)
施工者
株式会社大林組