第15回 大阪まちなみ賞 受賞作品 -1995- (平成7年)
キーエンス本社・研究所ビル/第15回大阪府建築士会長賞
講評
通常のビル建築は地盤面から建てられる手法が一般的であるが、このビルは高さ20mのピロティを持ち、それを東西道路に抜ける水平吹抜空間として創出している。それは周辺地域に対し開放された大空間を提供し、かつ緑を充分に持ち込んだ着想によって見事に地域に貢献している。外観も直線的ななかに曲線の変化をもたせ、個性的で優美な姿を保って、淀川の北に広がる市街地のスカイラインをひきしめつつ、リバーサイドの眺望に都市的な魅力を加え、この地域の視覚的なシンボルとなった。
また開放的な空間を最上階に持って素晴らしい展望を造り出していることも魅力である。高度な建築的技術によってとかく閉鎖的になりがちな高層ビルの足元に豊かな大空間を保たせたことは、本都市景観建築賞の表彰目的を満足させるに充分な作品といえる。
講評者 審査委員 宮崎八郎
概要
建築位置
大阪市東淀川区東中島1‐3‐14
完成年月
平成6年7月
主用途
事務所
建築主
株式会社キーエンス
設計者
株式会社日建設計
施工者
株式会社大林組